苦労して土地情報を手に入れ何度も足を運び、調査も完了。
悩んだ末に区割りも完成して造成計画もばっちり。
果たして、土地仕入れは成約するのか?
土地代金、造成費、諸経費など全体の費用を試算
土地情報取得から造成費用算出まで様々な苦労を乗り越えて、やっとたどり着きました。いよいよ、土地仕入れ金額の試算です!さぁ、やってみましょう。
と、言いたいところですが、
この試算にも会社独自の試算表を使うのでここで実際にお見せすることはできません。
会社によって利益の取り方が違いますし、総務部や経理部といった間接費用も会社によって違いますからね。
でも心配は無用です。試算表の使い方は簡単ですので。
土地の面積や坪当たりの土地金額、造成費用や諸経費を入力する欄がありますのでそこに金額を打ち込むだけです。
売主から売却希望金額が出ているようならその金額を入力して試算します。
もし、売主から売却希望金額が出ていないならその土地の相場で試算をスタートします。
土地仕入れに必要な金額と各区画の販売予定金額を入力すれば利益が算出されるようになっています。
試算の結果、利益はとれているのか?
結構ドキドキする瞬間です。テストの結果を見るような感覚です。算出された利益を見て、会社の基準をクリアしていればその金額で土地仕入れ可能ということです。
上司に確認してもらい、仲介業者への金額口頭打診の許可をもらいましょう。そのまま物件を押さえられれば売買契約まであとちょっとです。
では、利益が会社の基準以下だった場合はどうなるのでしょう?
上司と相談して対策を決めます。
- 土地仕入れ金額を下げる
- 販売価格を上げる
- 造成費用などの経費を下げる
対策はこの3つしかありません。
販売価格を上げてくれる優しい上司がいる方はラッキーです。
ほとんどの場合、土地仕入れ金額を下げることになります。
売主の希望金額や相場よりも低い金額提示となりますので交渉が必要です。
査定結果がどちらのパターンだったとしても早めに仲介業者に報告をしましょう。
試算結果報告、そして、条件交渉へ
他社に先を越されないためにも試算結果が出たらすぐに仲介業者へ報告します。売主の希望金額で買えるときも、希望に届かなかったときも早く回答しましょう。
「この土地仕入れ営業は検討が早いな」
「結果が悪くてもいつも真剣に検討してくれるな」
仲介業者にこんなイメージを持ってもらえれば、その後の土地情報が貰いやすくなります。
さて、仲介業者との交渉は2パターンです。
- 売主の売却希望金額で回答、物件を押さえる交渉
- 希望金額ではないけど、売ってもらえるように交渉
売主の希望金額で回答できる場合はそのまま物件を押さえられないか交渉します。他社よりも先に回答したからもう他社は断って欲しいとお願いします。
これで交渉成立すれば、売買契約もほぼ確定です。契約に向けて社内稟議を通すなど手続きを進めていきましょう。
問題は、売主の希望金額に届かなかった場合です。
この場合、なぜその金額になったのか?丁寧に伝える必要があります。
面積的にちょうど良い区割りにできなかったとか、造成費用がものすごくかかるとか、理由を明確に伝えます。
検討した内容を丁寧に説明すればもしかしたら売主も納得してくれるかもしれません。
仮に成約できなかったとしても「真剣に検討してくれる土地仕入れ営業」として認識されれば、その後の取引に役立ちます。
ちなみに、土地仕入れ営業が交渉する相手は仲介業者です。売主と直接交渉するわけではありません。
ですので、区割り案や造成計画図など説明資料を用意して、仲介業者から売主への説明もやりやすいように準備しましょう。
果たして、土地仕入れは成約するのか?まとめ
土地情報を手に入れ、様々な調査や検討を行い、やっとたどり着いた土地仕入れ金額の試算結果。苦労した割には売主の希望に合わないことも多いです。
ダメもとで低い金額を回答したのに、他社の方が低くて思いかけず成約するなど、嬉しい誤算も時にはあります。
大切なのは、1つ1つの情報を真剣に検討することです。
土地情報を粗末に扱う土地仕入れ営業には仲介業者はいずれ情報をくれなくなります。自分ひとりでは検討しきれないほどの土地情報を抱えてしまったときは先輩や同僚を頼りましょう。
売主や仲介業者は、いつ回答がもらえるか楽しみにしています。
期待を裏切らないようにしたいですね。
次回は、
「いよいよ土地売買契約!契約書ってどうやって作るの?他には何が必要?」
です。
記事を読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、また。