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⑦田んぼを宅地にする「造成工事」。区割り案を基に計画を練って、試算表を活用すれば費用算出も簡単!【現役土地仕入れ営業】が徹底解説!

田んぼと空の画像 「土地仕入れの仕事を解説」
田んぼと綺麗な空
こうじ
こうじ

土地情報で意外に多い「田んぼ」。
宅地に仕上げるための造成計画の作り方や費用の算出方法を

現役土地仕入れ営業の私が徹底解説します!

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田んぼを宅地にする「造成工事」。区割り案を基に計画を練って、試算表を活用すれば費用算出も簡単!

土地情報で多いのが、田んぼです。

おじいちゃんやおばあちゃんがお米作ってたけど、今では誰もやってないんです。相続の関係もあって現金化したいんです。

こんな売り土地情報が、毎週のように送られてきます。

現地調査して、役所調査して、区割り案作って、販売予定金額が決まってもまだ、土地の購入金額は決まりません。

なぜなら、「田んぼ」を「家を建てられる土地(宅地)」に仕上げなければならないからです。

宅地に仕上げることを「造成工事」といいます。造成工事自体は、土木工事を専門にしている協力業者へ依頼することがほとんどです。工事がスタートしてしまえば工程に遅れがないか、たまに現場を確認するくらいでそんなにすることはありません。

逆に工事がスタートする前、造成計画案作成と費用算出が土地仕入れ営業の大事な仕事になります。

造成工事の内容を見誤ると大変なことになります。物件全体に関わることなので慎重に検討しましょう。

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造成工事費用が決まらないと、土地購入金額も決まらない。

この造成工事にかかる費用を算出しなければ土地仕入れの金額も決まりません。

実際には、造成費用以外にも

  • 仲介業者へ支払う媒介手数料
  • 司法書士に支払う登記費用
  • 土地家屋調査士に支払う測量費用
  • 行政書士に支払う手続き費用

などの費用がかかります。

これらの費用は、物件の内容がある程度決まっていれば見積もりを取ることができます。付き合いの長い取引業者であれば見積もりを取らなくても大まかな費用は算出できます。

ですので、造成費用がポイントとなります。

作成した区割り案と、現地調査した内容を踏まえて

  • 必要な盛土、または、切土の量
  • 土留め(よう壁やブロック)の高さ
  • 排水路の確保

など、宅地化するための費用を算出します。

しかし、この段階では、見積もりを取るための正確な造成用図面などありません。

図面がなければ、見積も取れません。

つまり、土地仕入れ営業が造成費用を試算するのです。

これが曲者なんです!

どうやって造成費用を試算するのか?

前述したとおり、区割り案と現地調査を基に仮の造成図面を作成します。宅地から道路へ排水が流れるように宅地の高さを設定したり、お隣さんとの高低差が大きくなりすぎないように全体の高さ設定を調整していきます。平面の区割り案に、造成の高さ設定が加われば造成工事の内容も決まります。ここから費用試算に移ります。

おそらくどの会社にも、造成費算出用の試算表があります。

たとえば、

  • ブロック2段積みなら1m当たり、10000円
  • ブロック3段積みなら1m当たり、13000円

など、項目ごとの単価が決まっています。

区割り案でブロックを積むべき場所の距離を測って試算表の必要数の欄に入力します。

区割り案全体で必要なブロックの段数と距離が決まれば試算表に入力するだけで費用が算出できます。

同じように、他の項目も必要な分だけ入力して宅地化するための費用を算出します。造成費用が決まれば、土地購入費用も決まります。

造成費用が予算を超過しちゃった・・・。

土地仕入れの際に予定していた造成費用を実際にかかった造成費用が超えてしまうことがあります。

これは、土地仕入れの初期段階では情報が不足していることが原因です。

土地の高さや、お隣さんとの高低差、もっと言えば土地の面積や形でさえ不確定な情報しかないんです。不確定な情報を基に造成計画を組むのでどうしても誤差が出てしまうのです。予算より少ない費用で工事できればいいのですが予算を超えてしまった時が厄介です。

だったら測量してから試算すればいいじゃん、って思いますよね。

でも出来ないんです。

なぜ不確定な情報で試算するのか?

どうしてそんなことになるのかは流れを見れば分かります。

土地情報取得→調査→区割り案作成→造成計画・試算(今ココ!)→土地買付金額決定→金額等条件交渉→土地売買契約→確定測量、現況測量→行政手続→造成図面決定→土地代金決済、所有権移転→造成工事スタート

ん?順番間違えてない?って思ったあなた。気づきましたね!

造成試算の段階では、測量した図面がないんです。
(たまに測量済みの場合もありますが。)

確定測量図とは、お隣さんや道路との境界を明確にして面積や形状を確定した図面のことです。
現況測量図とは、売買対象地だけではなくお隣さんや道路の高さだったり、工作物の位置などを正確に測って作成した図面です。

せめて現況測量図があれば土地の高さの関係がわかるので、造成試算がかなり正確になります。しかし、どちらの図面もありません。売主が行う確定測量も、買主が行う現況測量も、お金が掛かります。お金を無駄にしたくないので売買契約成立後に測量を行うのです。

結果として、土地購入検討段階では不確定な情報を基に試算するしかないのです。

造成工事と費用について解説まとめ

ベテランの土地仕入れ営業でも痛い目に遭う、それが造成工事です。

こればっかりは、数をこなして経験を積んでいくしかありません。でも恐れることはありません。区割りの解説記事でもお伝えしましたが、周りに助けてもらえばいいのです。

造成計画は、紙の上だけではできませんし、現地を見ているだけでもできません。設計士や協力業者と一緒に現地に行ったり、算出した予算よりも多めに費用計上しておくなど、リスクを減らす方法はあります。

情報が不足している部分に関しては、より費用がかかる方法を選択しておけば赤字物件になることを回避できます。

怖がらずに土地仕入れ営業の仕事に飛び込んで、先輩や同僚と一緒に土地仕入れを楽しんでください!

次回は、

「様々な苦難を乗り越え土地仕入れ金額決定!
果たして、売主の希望する金額で購入できるのか?」

です。

記事を読んでいただき、ありがとうございました!

それでは、また。

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